ギャラリーそうめい堂は、UKIYO-E PROJECT展を開催いたします。
浮世絵の「浮世」は「今」「現代」という意味があり、各時代に人気のあった美人や歌舞伎役者、観光スポット等が描かれてきました。
UKIYO-E PROJECTは、その浮世絵のスタンスを現代にいかしたいという考えのもと、2014年三井悠加により発足された現代の版元であり、現代のスターや風景を伝統木版画で表現しています。
浮世絵職人の新たな需要を創出し、技術を後世に伝承していく新たな展開は、世界中で高く評価され、
大英博物館やオーストリア応用美術博物館、マイアミ大学図書館などに所蔵されています。是非ご高覧下さい。
Information
2023 9. 17. (Tue.) – 9. 28. (Sat.)
11:00 - 18:30
*Closed on Sundays, Mondays, and Public holidays
日曜・月曜・祝日休廊
ギャラリーそうめい堂 Gallery Soumei-do
Yamada-bldg 7th floor 1-8 KandaJimbocho, Chiyoda-ku Tokyo Japan
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-8 山田ビル7F
Artist
石川真澄 / ISHIKAWA Masumi
大石恵美 / OHISHI Megumi
マテウシュ ウルバノヴィチ / Mateusz Urbanowicz
Artworks
KISS x UKIYO-E PROJECT コンセプト
ロックバンド「KISS」とのコラボレーション、現代に新たな浮世絵が蘇りました。アーティストコラボレーション第一弾は奇抜な化粧や衣装、ステージで見せる火吹きや血吐きパフォーマンスなどの激しい演出で、世界中を魅了するKISS。制作期間約6ヵ月、90回以上に及ぶ摺り合わせで得られる豊かな色彩と和紙の風合いが楽しめる逸品です。
接吻四人衆大首揃
浮世粋男接吻四人衆之内
宝琉須丹礼
接吻四人衆変妖図
桃色四葉乙接吻四人衆大合戦絵巻
Iron Maiden x UKIYO-E PROJECT コンセプト
アイアンメイデンはその音楽性のみならず、ジャケットにもストーリー性が強く反映されており、その浮世絵化についても、そのストーリー性を大切にしました。今回は、エディが江戸時代にやってきて悪さをした行いの記録を当時の江戸の浮世絵師が、妖怪絵として描いたという架空の設定にしました。
また、作品右下部分のロゴは、伝説の拷問器具「鋼鉄の処女」そのままモチーフにして、「穢行銘傳之内」(アイアンメイデンのうち)という文字を当て字にしております。 その文字の意味は、「穢れた行いを記した伝説」という意味となります。
地獄太夫実八壊泥
辻斬り壊泥
David Bowie x UKIYO-E PROJECT コンセプト
生前、日本の美学にインスパイアされ、日本と深い交友関係にあったデヴィッド・ボウイへのオマージュ作品です。世界的に著名なロンドン出身の写真家テリー・オニールによる「ダイアモンド・ドッグズ」プロモーション撮影時の写真(1974年)と、英国人の写真家ブライアン・ダフィが撮影したデヴィッド・ボウイのアルバム「アラジン・セイン」(1973年)ジャケット撮影時に撮った一枚で最近ではヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で開催された回顧展「デヴィッド・ボウイ・イズ」のプロモーションにも使用された写真をモチーフに、二作品を制作、浮世絵と写真のコラボレーションが実現しました。
出火吐暴威変化競 鬼童丸
出火吐暴威変化競 竹沢藤次
江戸のおもかげ コンセプト
江戸の人々は、現代で言う風景版画を、「名所絵」と呼んで親しんでいました。これまで、UKIYO-E PROJECTでは、版元として、現代アーティストを描いた「役者絵」「美人絵」「武者絵」などを、「現代の浮世絵」として、発表してきました。そして、どこか懐かしい江戸の香が漂う現代の風景を、「名所絵」としてシリーズ化したいと考え、「佃島残江戸面影」を制作しました。木版画の特性を生かして、ほんの少しの色版を差し替えることによって、同じ風景が、「春」「夏」「秋」「冬」四季折々の景色を表現しました。勿論、江戸時代から脈々と受け継がれた「彫師」「摺師」の技法があればこその成果でした。
そして、シリーズ第二弾として、「時鐘江戸俤」を制作しました。今度は、真夏の一日の移り変わりを「快晴」と「夕暮」の二枚で表現します。しかも、江戸の名所絵流行と軌を一にして人気があった、「藍摺」という「藍の濃淡」だけで表現した木版画で制作しています。
佃島残江戸面影(春)
佃島残江戸面影(夏)
佃島残江戸面影(秋)
佃島残江戸面影(冬)
時鐘江戸梯(快晴)
時鐘江戸梯(夕暮)
復刻版 北斎『冨嶽三十六景』のうち「神奈川沖浪裏」コンセプト
名所絵の中で最も有名な浮世絵は、北斎の「神奈川沖浪裏」と言っても過言ではありません。北斎の構図は、大浪に翻弄されて船にしがみ付く押送船の船頭達を、大きな浪の裏から、小さな冨士が静かに見守る。大浪よりも冨士のほうが遥かに大きな存在であるが、あえて、 冨士を小さく描くことによって、冨士の大きな存在感を表現しています。
「神奈川沖浪裏」を摺りあげるのに必要な版木は主版が1枚に色版が2枚(裏表使用)計3枚。
5面の版木を摺り重ねていき、1つの作品が完成します。
当時の版元はいかに版木の数を少なくし(予算を抑えるため)、且つ良い作品を完成させることにもこだわっており、北斎はたった3枚の版木で今も世界を魅了する構図を考えました。余計なものを削ぎ落とし、ミニマルでも迫力のある北斎の「神奈川沖浪裏」はずっと眺めていても飽きない魅力があります。
UKIYO-E PROJECTではメトロポリタン美術館に所蔵されている、初摺に近く、保存状態の良い『冨嶽三十六景』のうち 「神奈川沖浪裏」を参考に復刻致しました。
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏