アーティストコメント
横たわる犬は、ブランケットを被ったとき、優しい表情をしています。しかし、裏返すとその表情は少し不安げ。その2面は、確かに彼（または彼女）の中にあるというのに、人は時々、他者を一つの側面のみで見ようとします。
「Lie」という言葉は、「横たわる」と「嘘をつく、欺く」という意味があり、その全く違う意味合いがそれぞれ成立している言葉です。
この犬が横たわっているだけの存在でも、嘘をついていたとしても、その両面があってこそのその犬なのです。

作品
年代 : 令和3年
サイズ : 26 × 19 cm（シートサイズ）
限定 : 5/8
技法 : フィルムにシルクスクリーン
詳細 : 額付 / 透明フィルムの片面に刷り、両面から見ることが出来る様に制作された作品
額装 : 白縁透明アクリル額（両面・自立）

プロフィール
2012-2016　東京藝術大学 絵画科 油画専攻 学士
2016-2018　東京藝術大学 大学院美術研究科 絵画専攻 版画研究分野 修士

展覧会
2021
・blooming sensations (s+arts グループ展)
・Staying Pets (TAKU SOMETANI GALLERY 個展)
2020
・s+arts summer exhibition (s+arts gallery)
・SLEEPING INSTINCT ねむる本能 (ギャラリーそうめい堂 個展)
2019
・FUNNY BONE（TAKU SOMETANI GALLERY 個展）
・Sur and Smile（s+arts グループ展）
2018　
・Hey Human...(ねえ人間...) (TAGBOAT 個展)
・Independent Tokyo（TAGBOAT 特別賞）
・なでたような跡がある（表参道画廊 グループ展）
2017
・Shotai Exhibition (SO Fine Art Editions,アイルランド)
・ZURETA / INTERNATIONAL PRINTED ART
（上海美術大学）
2016
・石橋財団より助成を受けポーランドにて制作・展示

​ディレクターコメント
　人間の周囲の生き物と人間の関係を主なモチーフとして、シルクスクリーンやドローイング作品を制作している市川。ユーモアに富んだ作品は単なる風刺画ではなく、現代に生きる我々人間の矛盾や滑稽さがある種の慈しみを持って描きだされている。人間に翻弄される生き物たちに対して生まれる奇妙な笑いとすこしの罪悪感、そしてそこに確かにある愛情。メディアとして用いられた版画に隠されたメッセージを読み解くのも面白い。

Artist Comment
A dog lying down has a relaxed expression on its face when he (or she) is covered with a blanket. However, when the sheet is turned over, what appears is a slightly anxious expression.
Sometimes people see others in only one way, even though various sides are certainly in him (or her).
The word "lie" means "to lie down" and "to lie or deceive," two words that have very different connotations.
Whether this dog is just lying down or lying to you, all of these aspects are what makes him (her) who he (she) is.

Information
Title : Lying Dog (Green Blanket)
Artist : ICHIKAWA Shiori
Date : 2021
Size : 26 × 19 cm (Sheet size)
Edition : 5/8
Technique : Silkscreen on the one side of the film
Detail : Framed / A work printed on one side of a transparent film so that it can be seen from both sides.
Frame : White edge transparent acrylic frame (double-sided, freestanding)