そうめい堂コンテンポラリーに新しいプライマリーアーティスト、金 知慧 (キム ジヘ) が加わりました。
金 知慧(キム ジヘ)の制作プロセスは、写真のイメージから始まるといいます。金は彼女自身が直接撮った、あるいは家族の昔のフィルム写真アルバムから「私の中の何か」に触れる写真を探し、それをもとにスケッチをして、メゾチントを中心とした銅版画技法で作品を制作しています。
金は作品について「 銅版画に刻んだ私の記録 」 という説明をしていますが、ここで言う記録は「日記」に近いものです。これらの作品は極めて個人的な場面で始まっており、自己告白の性向があります。 それは「懐かしさ」なのか、「愛」なのか、「憐憫」なのか、それともまた別の何かなのか。ここには正確に一つの単語で表現できない記憶や感情が渦巻き、作品を鑑賞する私達の感情も大きく揺さぶられます。
今年芸大を卒業した金。作品の画面の美しさに加え、なぜ銅版画で作品を作るのか、なぜ写真を選ぶのか、という問いを設け、深く研究を行ってきた彼女が執筆した論文も大変面白い内容です。
金の論文はこちらから。
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